年末感謝主日礼拝・メッセージ要約】                      2003年12月28日                      
二人の王

マタイによる福音書2章1〜12節

メッセージ 高橋淑郎牧師

 

 ユダヤの王ヘロデの時代に、ベツレヘムという小さな町で、大きな事件が起こりました。 救い主がお生まれになったのです。しかしこのとき、ヘロデはまだこの大事件を知りませんでした。しかし数年後、不意に東の国から訪ねてきた天文学者によって、それを知りました。彼らは、「ユダヤの王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。 わたしたちは東方でその星を見たので、 拝みに来たのです」と言うのでした。この瞬間宮殿の中に緊張が走りました。目の前にいる王を差し置いて、「ユダヤ人の王はどこにおられるか」などと、よくも聞けたものです。突然ライバルの出現を知ったヘロデは不安を抱きました。当然おそばに仕える者たちも不安のとりこになりました。伝え聞いた民衆は、王の怒りの矛先が自分達に向けられるのではと恐怖に怯え、 動揺が走ります。 それでもヘロデはぐっと怒りを抑えて、博士たちの言う、「メシアはどこに生まれることになっているのか」と、律法学者たちを集めて調べさせました。ライバルはベツレヘムにいるとすぐに分かりました。 東方の博士たちはそれと聞くと、すぐに出発しましたが、学者たちは腰を上げません。 彼らは聖書を調べることでは人後に落ちませんが、彼らの目線は神に向けられず、ヘロデに向けられていました。彼らの心は神を恐れないで、ヘロデを恐れていました。 この世の王と、御国の王の前にあって、この世の王を選んだのです。聖書を知っているだけでは御国の王に出会えないのです。

 しかし、 東方の博士たちの目も心もただ一筋に、御国の王に向けられていましたから、 何の疑いもなく直ちに出発しました。 彼らはベツレヘムがどこにあるのか、その道順はなどと全く心配していません。彼らの目は、神が備えてくださった、「星」という道しるべに注がれていたからです。彼らは、幼子のいる家の上に止まる星を見て喜びました。この幼子こそユダヤ人の王、いや。 全世界を治める真の王であることを信じて黄金、乳香、没薬(もつやく)などの贈り物をささげて礼拝しました。黄金は御国の王に、乳香は神に、没薬は万人の救い主にこそふさわしい贈り物として、彼らは献げたのです。 この贈り物の意味するところは、マリアの手に抱かれているこの幼子こそ、王なるキリスト、神なるキリスト、救い主なるキリストであるという、明確な信仰告白なのです。

 2003年が暮れて新しい年の到来が間近です。 いつの世にも二人の王がわたしたちの前に君臨します。 もし、わたしたちがこの世の王を恐れて救い主なる神から目をそらすなら、 ペトロのようにこの世の誘惑という荒波の中におぼれて沈んでしまうことでしょう。 聖書の知識だけを振り回して、 ベツレヘムの幼子の前に出て行かなかった律法学者のようになってはいけません。聖書を学ぶ者はそれにふさわしく、礼拝を大切にする教会であり続けましょう。 祈祷会を第一にする教会であり続けましょう。個人的なデボ−ションを忘れることのないキリスト者であり続けましょう。

  
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年末感謝主日礼拝・メッセージ】                      2003年12月28日                      
二人の王

マタイによる福音書2章1〜12節

メッセージ 高橋淑郎牧師

 

 2003年を少し振り返りましょう。 最初に悲しい、また寂しい記憶が甦ってきます。2月25日に今野高子姉、 5月1日に吉田美知子姉のお連れ合い、8月28日に石原憲男兄、9月18日には栗原千登勢姉が、会堂建築の竣工を待たずにそれぞれ神の主権の御手の内に移されました。

 しかし、悲しいことばかりではありません。8月1日には長年の祈りであった会堂建築工事に着手し、9月16日(火)に工事現場で定礎式を挙行しました。12月14日から新会堂で宣教42周年の節目を記念して主日礼拝を献げ、主の晩餐の恵みに与り、午後には、主が祈りに勝る数(総勢53名)の幼子とそのご両親をお招き下さったので、恵みに満ちた「子どもクリスマス会」を開くことができました。 21日には紫園香姉をお招きしてクリスマス主日礼拝と、午後にはコンサートを開催し、約60名の参加を得ました。特に感謝すべきは会堂建築工事中、一日として主日礼拝はもちろん、水曜・木曜の祈祷会に穴が開くことはありませんでした。 牧師としてこれに優る喜びはありません。工事中は仮会堂が与えられ、また祈祷会の為には吉野家、金田家、長谷川家が集会場として主に献げて下さったことを覚えて彼らに主の祝福が豊かでありますようにと祈ります。

 さて、今朝与えられた聖書のみ言葉に聴きましょう。以前にも申し上げましたように、12月25日を以てクリスマスが終わったと思わないで下さい。むしろ、12月25日から降誕節(〜来年1月6日)が始まったとご理解ください。

 ユダヤの王ヘロデの時代に、ベツレヘムという小さな町で、大きな事件が起こりました。救い主がお生まれになったのです。 しかしこのとき、ヘロデはまだこの大事件を知りませんでした。 数年後、不意に東の国から訪ねてきた天文学者によって、それを知ったのです。 彼らは、「ユダヤの王としてお生まれになった方は、 どこにおられますか。 わたしたちは東方でその星を見たので、拝みに来たのです。」と言うのでした。 この瞬間宮殿の中に緊張が走りました。 目の前に在任中の王がいるのです。その王を差し置いて、「ユダヤ人の王はどこにおられるか」などと、よくも聞けたものです。突然ライバルの出現を知ったヘロデは不安を抱きました。当然おそばに仕える者たちは不安のとりこになりました。伝え聞いた民衆は王の怒りの矛先が自分達に向けられるのではないかと恐怖に怯え、動揺が走ります。それでもヘロデはぐっと怒りを抑えて、博士たちの言う、「メシアはどこに生まれることになっているのか」と、律法学者たちを集めて調べさせました。 ライバルはベツレヘムにいるとすぐに分かりました。東方の博士たちはそれと聞くと、すぐに出発しましたが、学者たちは腰を上げません。彼らは聖書を調べることでは人後に落ちません。しかし彼らの目は神に向けられず、 ヘロデに向けられていました。彼らの心は神を恐れないで、 ヘロデを恐れていました。 彼らはこの世の王と、御国の王の前にあって、この世の王を選んだのです。聖書を知っているだけでは御国の王に出会えないのです。

 しかし、東方の博士たちの目も心も、ただ一筋に御国の王に向けられていましたから、何の疑いもなく直ちに出発しました。 彼らはベツレヘムがどこにあるのか、その道順はなどと全く心配していません。 相変わらず彼らの目は、神が備えて下さった星という道しるべに注がれていたからです。幼子のいる家の上に止まる星を見て喜びました。この幼子こそユダヤ人の王、いや。全世界を治める、「真の王」であることを信じて黄金、乳香、没薬(もつやく)などの贈り物を献げて礼拝しました。「黄金」は御国の王にこそふさわしい贈り物として、「乳香」は神にこそふさわしい贈り物として、 「没薬」は万人の救い主にこそふさわしい贈り物として、彼らは献げました。 この贈り物の意味するところは、マリアの手に抱かれている幼子こそ、王なるキリスト、神なるキリスト、救い主なるキリストであるという、明確な信仰告白なのですす。

 2003年が暮れて新しい年の到来が間近です。 わたしたちは果たしてこの一年、この世の王と御国の王のどちらに関心を寄せてきたでしょうか。新しい年、わたしたちは何に目を注いで歩み出すべきでしょうか。この世の王とは「天皇」と呼ばれる日本国王のことではありません。どこかの国の王のことでもありません。使徒パウロが言うように、「この世を支配する者、かの空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な者たちの内に今も働く霊」(エフェソ2:2)のことです。 すなわち、ほかの誰でもない悪霊とその頭であるサタンを指していることは明らかです。

 新しい会堂が与えられたわたしたち仙川キリスト教会は新しい年、 目を注ぐべきお方はただ一人です。聴くべきお方もただ一人です。 いつの世にも二人の王がわたしたちの前に君臨します。 もし、わたしたちがこの世の王を恐れて救い主なる神から目をそらすなら、 ペトロのようにこの世の誘惑という荒波の中におぼれて沈んでしまうことでしょう。聖書の知識だけを振り回して、ベツレヘムの 幼子の前に出て行かなかった律法学者のようになってはいけません。聖書を学ぶ者はそれにふさわしく、礼拝を第一にする教会であり続けましょう。 祈祷会を大切にする教会であり続けましょう。 個人的なデボ−ションを忘れることのないキリスト者であり続けましょう。 祈りましょう。

 

天の父なる神様、あなたの御名を崇め、讃美します。

古の詩人は、栄光の主を証して歌います。 「わたしの魂よ、 主をたたえよ。主の御計らいを何一つ忘れてはならない」(詩編103:2)と。

先にこの一年を振り返りましたが、 詩人が歌うように、  あなたの御計(おんはか)らいの確かさを実感します。 決して忘れることができません。しかし、わたしたちは反面、 この世の王の力に負けて恵み深いあなたの御計らいを忘れて、あなたから目も心もそらしてしまう者であったことを告白して、今悔い改めます。どうか、主よ、お赦しください。そして新しい年、この会堂がますます主の栄光の為に用いられるように、心を一つにして祈る群れ、出て行って福音を伝える共同体としてください。

私たちの主イエス・キリストの御名によってお願いします。アーメン。

 


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