【主日礼拝メッセ−ジ要約】−待降節第一主日−                  2004年11月28日

 光 の 主

創世記1章1−5節

 メッセージ:高橋淑郎牧師

 神が天地を造られる以前は「混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。」と聖書にあります。どんな世界であったか想像もつきません。とにかく真っ暗闇で、無秩序で、おおよそ命と言えるものは何もない、そんな状態であったのでしょう。あたかもわたしたちが暗い部屋にまず電灯のスウィッチを入れて明るくし、それから仕事を始めるように、神はまず、「光あれ」と言われると、たちまち明るくなりました。それから創造の御業をお初めになりました。

 皆さんの前に4本のローソクが並び立ち、そのうちの1本に火が灯っています。今日からクリスマス アドベントに入ったことを意味しています。アドベントとは「待ち望む」という意味です。今日は世の光であるキリストのお生まれに備えて静かに祈る第一日です。この世界が造られる以前、暗く混沌としていました。混沌としていたのは天地が造られる以前の世界だけでしょうか。今なお光の神に背を向けている人々の心も同じように暗闇の世界に、混沌としているのです。世界に目を向けるとあちらでもこちらでも国と国の戦争や民族間の紛争に明け暮れています。そのために飢餓や病に苦しむ人々がいます。また国内に目を向けると、殺人、暴力、いわれなき差別の犠牲になっている人々のニュースが絶えません。加害者も被害者も絶望と混乱という暗闇の世界に閉じ込められています。光の主である神、キリストに向き合わない限り、真実な平和も幸せも見出せないのです。皆さんの前に輝くこの1本のローソクはそのような人々の心を照らす神の約束のしるしです。今、このローソクの明かりよりももっと明るく、暖かく、聖い光の主が近づき、あなたの心の戸をノックしておられます。その呼びかけを聞いて、あなたの心の戸を開いて受け入れることを求めておられます。

  
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【主日礼拝メッセ−ジ】 −待降節第一主日−                  2004年11月28日

 光 の 主

創世記1章1−5節

 メッセージ:高橋淑郎牧師

 

 クリマスを待ち望む季節が訪れました。子どもたちの心は喜びに満ちています。大人も同じです。しかし、一方では心に憂いを抱きながら待降節を過ごす人々もいます。そうした人々を忘れないために、わたしたちバプテストの群れは今日から来週にかけて世界祈祷週間を設け、一人でも多くの人々に救い主イエス・キリストにある平和と喜びが与えられるようにと祈るのです。

 「初めに、神は天地を創造された。」という言葉で聖書は始まっています。神はこのような方だとか、神はこういう風に存在しておられるなどという説明は一切抜きにして、いきなり神の力ある御業を淡々と書き始めています。人間が無神論を唱えるはるか以前、また人間がさまざまな宗教を作る以前、永遠の初めに神はこの世界とそこに住む人間を創造されたのです。ひところスプーンを曲げて世間を驚かせた人がいます。また座ったままで空中に浮く神通力を持っているというまやかしで多くの人を入信させた宗教団体の教祖がいましたが、世界中のどんな奇術師も、魔術師も、また宗教家も、この創世記1:1の前には沈黙することでしょう。

 このように、聖書の神はその存在を証明する必要のない「永遠の神」です。子どもは自分を産んでくれた親を否定することはできません。それはまことに愚かなことだからです。自分が存在するはるか以前に全身全霊をもって自分を慈しみ、育んでくれた親に向かって、「あなたがわたしの親であることを証明しなさい」などということは愚の骨頂です。しかし実際、昔から数多くの人々が、天地創造の神に向かって、「あなたがわたしの神であることを証明しなさい」と愚かな要求を突きつけているのです。

 天地創造の物語を通してもうひとつ驚くことがあります。それは「時の刻み」です。聖書によると、「神のとき」と「地上のとき」があることが分かります。聖書によると、神は6日間で天地を創造されましたが、この6日間とは、「神のとき」としての6日間です。その第4日(14節)に太陽と月、星などが造られましたが、これらは日没から日の出にかけてのときの刻み、また春夏秋冬など季節の移り変わりの基準として、すなわち「地上のとき」の目安として造られているのです。このように、世界は地上で考えられるときの刻みの中で造られたのではなく、神の時の中で地上の時間が造られたということができます。

 日本は元号を用いる世界で唯一の国です。元号というのは、日本国王を神格化して「天皇」と呼び、この天皇によって日本の歴史が流れているということを意味しています。しかし、歴史のまことの主は神格化された天皇ではなく、この世界を造り、地上の時間を創造された神なのです。ですからキリストの教会と教会のメンバーであるわたしたちキリスト者は今年を「平成16年」とは言わず、神であるイエス・キリストを中心とした「キリスト紀元(AD=主の年)2004年」と呼んでいるのです。天地創造の神は、時間の主でもあるのです。皆さんは皆さんの生活の場で、世の趨勢(すうせい)に流されず、平成を用いず、ぜひともキリストの元号を使うようにしてください。こんな小さなことの中からキリストを証する第一歩が始まるのです。

 もうひとつ、旧約聖書はヘブル語で書かれていますが、この「初めに」はヘブル語で「ベレーシース」と言います。ベレーシースとは、神のときとしての永遠の初めであります。そしてもうひとつ、ベレーシースとは物事の基本、土台という意味でもあります。時の初めに、物事の基本である神がこの天地を造られたのです。物事の基本、人生の価値はこの世にそれを求めても見出すことはできません。人生にとって最も大切なことは、永遠の神、唯一まことの神、全ての初めである神に聴き従うことに尽きるのです。

 この全ての基本であり、土台であり、全ての初めである神は天地創造の御業をなさるにあたって、「光あれ」というみ言葉を発せられました。神が天地を造られる以前は「混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。」と聖書にあります。どんな世界であったか想像もつきません。とにかく真っ暗闇で、無秩序で、おおよそ命と言えるものは何もない、そんな状態であったのでしょう。あたかもわたしたちが暗い部屋にまず電灯のスウィッチを入れて明るくし、それから仕事を始めるように、神はまず、「光あれ」と言われると、宇宙はたちまち明るくなりました。それから創造の御業をお初めになりました。ある人は神の創造の初めはまず光であったと解釈しますが、注意して読むと、光に関しては創造の作品ではなく、既に存在していた光に登場を促すような命令形で書かれています。「光よ、あれ」と翻訳してくれるともっと分かりやすいのですが、とにかくそういう意味です。では、既に存在していた光とはどういう光でしょうか。新約聖書を読むと使徒パウロは、「『闇から光が輝き出よ』と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました。」(コリント4:6)と言い、使徒ヨハネも、「その光は、まことの光で、世に来て全ての人を照らすのである。」(ヨハネ1:9)と言いました。そしてイエス・キリストご自身、「わたしは世の光である」(ヨハネ8:12)と宣言されました。太陽もない宇宙に輝いていた光こそイエス・キリストなのです。この光の主が天地創造のはじめに登場して、父なる神と共に混沌としていた宇宙を形成し、全てのものを創造されたのです。

 皆さんの前に4本のローソクが並び立ち、そのうちの1本に火が灯っています。今日からクリスマスアドベントに入ったことを意味しています。アドベントとは待ち望むという意味です。今日は世の光であるキリストの御降誕に備えて静かに祈る第一日です。この世界が造られる以前、暗く混沌としていました。混沌としていたのは天地が造られる以前の世界だけでしょうか。今なお光の神に背を向けている人々の心も同じように暗闇の世界、混沌としているのです。世界に目を向けるとあちらでもこちらでも戦争や紛争に明け暮れています。その為に飢餓や病に苦しむ人々がいます。国内に目を向けると、殺人、暴力、いわれなき差別の犠牲になっている人々のニュースが絶えません。加害者も被害者も絶望と混沌とした暗闇の世界に閉じ込められています。光の主である神、キリストに向き合わない限り、真実な平和も幸せも見出せないのです。皆さんの前に輝くこの1本のローソクはそのような人々の心を照らす神の約束のしるしです。今、このローソクの明かりよりももっと明るく、暖かく、聖い光の主が近づき、あなたの心の戸をノックしておられます。その呼びかけを聞いて、あなたの心の戸を開いて受け入れることを求めておられます。 祈りましょう。

 

天の父なる神さま、あなたの御名を崇めます。

 クリスマスアドベントに入り、町中がいっそうの賑わいを見せています。しかし、人々のほとんどはクリスマスの意味も分からず、ただ自分の楽しみを求めているばかりです。傷つけられたり傷つけたり、悲しみに暮れたり悲しませたりと、人々の心はますます暗闇と混沌とした状態へと迷い込んでいます。

 しかし、天地創造の初めにまことの光を輝かせ、今も生きておられる主よ、どうか、わたしたちの心の深みまで照り輝いてください。そして悔い改めに導き、冷えた心にぬくもりを与え、混沌とした生活に秩序を回復させ、あなたに対して、また隣人に対して和解の道を開いてくださいます。主イエス・キリストのお名前によってお願いします。アーメン。

  


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