【主日礼拝メッセ−ジ要約】                         2005年12月4日
 
暗い心に讃美の衣を
イザヤ書 61章1−4節ルカによる福音書4章16−21節

メッセージ 高橋淑郎牧師

   

 油注ぎは、「王」(メシア=キリスト)に対する即位のしるしです。イエス・キリストはこの書を読み、「この預言は今日実現した。わたしこそイザヤが預言しているメシア(キリスト)である」と宣言されます。ここにクリスマスの目的が明らかにされています。

 イエスはダビデ家の末裔であるヨセフの婚約者マリアの胎内に、聖霊の力で宿りました。しかし、彼らはローマ皇帝の命令によって、住みなれたナザレを追われて、ダビデ家代々の土地で住民登録をするためにベツレヘムへと旅立ちました。ようやくベツレヘムに着いた時にはどこの宿屋も満員で、彼らの泊まる余地はありませんでした。それでも何とか家畜小屋で夜露をしのぐことができました。ちょうどその夜、マリアは出産しました。救い主ご降誕の瞬間です。この誕生は野宿をしている貧しい羊飼いたちに天使が伝えました。天の軍勢が加わって、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」と、讃美の大合唱が響き渡りました。更に神はベツレヘムのはるか上空に大きな光り輝く星を備えてくださったので、東方の博士たちは、かねて聖書に記されているユダヤ人の王、主なるキリスト誕生の預言が実現したと信じてベツレヘムへと旅立ち、黄金、乳香、没薬などの贈り物を携えて。あなたも天使の呼びかけにこたえて、真のクリスマスを祝ってください。そして天の軍勢と共に神への讃美の大合唱を神にささげてください。神が目印として備えてくださった御言という星があなたの頭上に輝いています。どうぞあなたも、あなたの人生の主であるキリストを拝むために躊躇する心の腰を上げて立ち上がってください。クリスマスには何かを貰うためではなく、あなた自身の神に対する悔い改めの心、感謝、従順という、最高の宝物をささげるために救い主のみ前に来てください。

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【主日礼拝メッセ−ジ】                         2005年12月4日

 
暗い心に讃美の衣を
イザヤ書 61章1−4節ルカによる福音書4章16−21節

メッセージ 高橋淑郎牧師

    

 わたしたちの主イエス・キリストはいつものように安息日に会堂に入って行かれます(ルカ4:16)。主は礼拝を欠かすことのない方です。手渡された巻物はその日の聖書日課であったと思われますが、イザヤ書でした。その書を受け取った主は61:1−2を朗読し、「この預言は、今日あなたがたが耳にしたとき、実現した」と語られたということです。そこでわたしたちも旧約聖書からイザヤ書61章を読んでみたいと思います。

 こうして引用箇所を読み比べてみると、旧約聖書の表現と若干違っていることに気付かれたことでしょう。主イエスがお読みになった聖書はもちろんヘブル語ですが、新約聖書の著者が手にしている旧約聖書はギリシャ語訳のものだったからです。その辺の事情は先週読みました使徒言行録6:1−7に見るとおり、教会の中にギリシャ語を話すユダヤ人が相当数いたので、その人たちへの配慮としてギリシャ語訳の旧約聖書を用いていたことによります。そして今わたしたちは、旧約聖書をヘブル語から、新約聖書をギリシャ語からそのまま日本語に訳されたものを読んでいるわけです。

 説明が長くなりましたが、今、わたしたちは主イエス・キリストの御降誕を待ち望む日々の中にあります。クリスマスとは何でしょうか。神であるキリストがイエス(「主は救い」という意味)という名を持つ、全き人としてこの世にお生まれ下さったことを感謝し、讃美し、礼拝をささげるという意味があります。

 では、クリスマスの目的はなんでしょうか。イザヤ書60−62章で預言されている通りです。今日はほんの一部だけ読みましたが、ここにクリスマスの目的が語られています。著者自身が神から油注がれた者とされたのか、それとも第三者を指しながら、「わたしに」と言っているのか、多分後者でしょう。昔から、油注ぎは「王」として選ばれた者に対する任命のしるしです。このような者を聖書はメシア(キリスト)と呼んでいます。イザヤ書の著者はやがて神から遣わされたメシアが、「貧しい人に福音を伝え、打ち砕かれた心を包み、捕らわれ人に自由を、つながれている人には解放を告げる」と預言しました。では、この油注がれた者とは誰か、イエス・キリストはこの書を読み、「この預言は今日実現した。わたしこそこのイザヤ書が預言しているメシア(キリスト)である」と宣言されたのです。ここにクリスマスの目的が明らかにされています。クリスマスはお酒を飲んで、おいしい料理やケーキを食べ、プレゼントの交換をしてそれでおしまいではありません。もちろんそのような楽しみがあってよいのです。しかし、それが主たる目的ではないのです。メシア(キリスト)は、「貧しい人に良い知らせを伝え 打ち砕かれた心を包み 捕らわれ人には自由を つながれている人には解放を 嘆いている人々を慰め 暗い心に代えて讃美の衣をまとわせるために」降誕して下さるのです。

 クリスマスの物語は新約聖書、特に福音書に見られますが、イエスは名門ダビデ家の末裔であるヨセフの婚約者マリアの胎内に、聖霊の力で宿りました。しかし、彼らは時の権力者ローマの皇帝アウグストの人口調査令によって、永年住みなれたナザレを追われて、ダビデ家代々の土地で住民登録をするためにベツレヘムへと旅立ちました。身重のマリアを伴っての旅は困難を極めたでしょう、ようやくベツレヘムに着いた時にはどこの宿屋も満員で、彼らの泊まる余地はありませんでした。それでもマリアのお腹を見た宿屋の亭主は、この二人連れを気の毒に思ったか、家畜小屋でよければと提供してくれました。やれやれと荷解きをしていた矢先に、ちょうどその夜、マリアは出産しました。救い主ご降誕の瞬間です。この赤ちゃん誕生は不思議な方法で遠くの人たちに知らされました。天使が町の郊外で羊の番をしている貧しい羊飼いのところに、「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(ルカ2:11−12)とメッセージを伝えました。そしていつの間にか天の軍勢が加わって、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」と、讃美の大合唱が響き渡ったのです。それだけではありません。この夜、救い主がお生まれになったという知らせは、はるか東の国に住む異邦人にも告げられました。神はベツレヘムのはるか上空に大きな光り輝く星を据えてくださったので、異邦人たちは、かねて聖書に記されているユダヤ人の王、真の主なるキリスト誕生の預言が実現したと信じて旅立ちました。神は星の輝きをもって彼らをベツレヘムへと導き、黄金、乳香、没薬などの贈り物をささげてクリスマスを祝わせてくださいました。

 マリアもヨセフも羊飼いたちも、そして東方の博士たちもみな、今日の貧しさにあえぎ、いわれなき偏見や差別と戦い、福音のために迫害に苦しむ人々を象徴しています。神のみ前にある暖かい関係とは裏腹に、この世は神に対する無知のために寒々としています。神の御国は平和が満ちています。しかし、この世は全く無意味な戦い、争いに明け暮れています。イエス・キリストをメシア(キリスト)と告白する光り輝く交わりとは対照的に、この世は何のために生まれてきて、その終わりはどうなるのか、全く分からずに暗い心を引きずりながら、当てもなく過ごしていている人で満ちています。

 あなたの心は、今こうして礼拝をささげながらも、教会とこの世の間で何を頼りとすべきか、今なお迷っておられるのではありませんか。

 「主が恵みをお与えになる年、わたしたちの神が報復される日を告知して 嘆いている人々を慰め シオンのゆえに嘆いている人々に 灰に代えて冠をかぶらせ 嘆きに代えて喜びの香油を 暗い心に代えて讃美の衣をまとわせるために。」(イザヤ書61:2−3)とイザヤ書は預言します。そして、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した。」(ルカ4:21)と主イエスは言われます。「わたしこそあなたがたが待ち望んでいる救い主だから」と言っておられます。

 クリスマスの意味、クリスマスの目的がこれでお分かりになったでしょうか。それは今日、このみ言葉を耳にされたあなたのためなのです。どうか、あなたも天使の呼びかけにこたえて、今年こそ真のクリスマスを祝ってください。そして天の軍勢と共に神への讃美の大合唱を神にささげてください。神が目印として備えてくださった御言という星があなたの頭上に輝いています。どうぞあなたも、あなたの人生の支配者であるキリスト・イエスを拝むために躊躇する心の腰を上げて立ち上がってください。クリスマスには何をもらおうかというのではなく、あなた自身の神に対する悔い改めの心と、感謝と従順という、最高の宝物をささげるためにクリスマスを祝ってください。    祈りましょう。

 

天の父なる神さま、あなたの御名を崇めます。

 この世は悲しみと憂い、偽りと疑い、憎しみと争い、貧しさと差別に満ちた暗黒の世界です。しかし、あなたは今から2千年前、暗闇にもつまずくことのない衣、世の光であるキリストをまとわせるために、この世に賜りました。感謝します。わたしたちもイエス・キリストを救い主と信じ、告白し、讃美をもって応答させていただきます。

私たちの主イエス・キリストの御名によって。   アーメン。


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