【主日礼拝・巻 頭言】                                         2008年12月28日
 

 『主を思い起 こしなさい』  

 申命記8:11−20

 

山岸 明牧師

                                                            

    
モーセに率いられてエジプトを脱出し荒野を旅したイスラエルの民、 その旅もまもなく終わりを告げようとしたとき、モーセは民に言いま
した。「この40年の荒野の旅を思い起こしなさい」2、イスラエルの民 にとって荒野の旅は飢えと不安の40年でした。それを思い起こす事は
とても辛い事です。人は誰でも辛い過去は思い出したくはありません。 しかし、モーセは40年の旅を思い起こす中で、苦しくて、神様から見
放されたと感じたり、神の存在を疑った時もあっただろう、それは、神 がそのような試練を通して、あなたたちの心を吟味しようとされたのだ
と言いわれました。「主はあなたを苦しめ、飢えさせ、あなたも先祖も 味わったことのないマナを食べさせられた。人はパンだけで生きるので
はなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることをあなた に知らせるためであった」3。ここに神が与えた試練の目的が書かれて
います。

神はこの試練を通して、あなたたちを本当に養っておられるのは誰か、 そして、人は神様によって生かされているのだと言う事を伝えようとさ
れたのです。「この40年の間、あなたのまとう着物は古びず、足がは れることもなかった」4節 思い起こせば必要なものはすべて与えられ
ていました。更にモーセは一つの忠告をします。あなた方がこれから入 るカナン地、そこは良い土地である。しかし「あなたが食べて満足し、
立派な家を建てて住み、牛や羊が増え、銀や金が増し、財産が豊かになって、心おごり、あなたの神、主を忘れることのないようにしなさい」11〜14
と。苦しい時には真剣に祈っていたのに、順調で何も問題がない時は祈 る事すらやめてしまう事があります。苦しい時には、神様はすぐそこに
感じていたのに、そうでなくなると、神様が分からなくなってしまうも のです。モーセが彼らに荒野の40年を思い起こしなさいと言われたの
は、私たちの営みそのものが、神様の支えなしには成り立たない事をわ きまえるためなのです。

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 【主日礼拝メッセージ】                                  2008年12月28日 

 『主を思い起こしなさい』  

 申命記8:11−20

山岸 明牧師

 

モーセに率いられてエジプトを脱出したイスラエルの民は荒野の旅を40年間続けました。そして、その旅もまも なく終わり を告げようとしている時、モーセは民に言いました。「この40年の旅を思い起こしなさい。」人はなるべく過去を振り返らず、前を向いて歩こうと心がけま す。それは、過去の嫌な思いに捕らわれてしまうからです。ではモーセは辛かった過去を思い出させ何を伝えようとしたのでしょうか。

1、    高ぶる事がないように、
「あなたの神、主はあなたを良い土地に導きいれようとしておられる・・・」7−10
これから約束の土地に入ろうとするイスラエルの民にとって、一番警戒しなければならない事は何であるか、それは「高ぶり」です。これから彼らに財産が増し 加わる時、心の内に、「自分の力と自分の手の働きで、この富を築いた」17と言うからだ。モーセはその事を予測して、彼らに「高ぶり」を戒めたのです。こ れは、イスラエルだけの問題ではありません。私たち人間が持っている一つの弱さです。喉もと過ぎれば何とやら・・・と言いますが、多少お金ができたり、地 位を得たり、物事うまく行くと、人は謙虚さを恐れ高慢になるのです。

2、主を忘れる事がないように、
イスラエルの民が荒野を40年間さ迷いました。それはどのような歩みだったのでしょうか。それはとても辛い四十年間でした。肉体的には飢えと乾き、死との 戦いです。精神的には不安や恐れ、あのエジプトから救い出されたときの感謝はなくなり、毎日が不満と不信仰との戦いでした。そして、1ヶ月持あれば着く距 離を40年間もさ迷ったのです。「こうして主はあなたを苦しめて試し、あなたの心にあること、すなわちご自分の戒めを守るかどうか知ろうとされた。そのた めに苦しめ、飢えさせあなたも、あなたの先祖も味わったことのないマナを食べさせた。」主が試したのです。神の目的は「人はパンだけで生きるものではな く、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることをあなた方に知らせるためであった。」3と言います。

モーセが言われた「荒野の40年を思い起こしなさい。」思い出されるのは、あのときの飢え乾き、不安と恐怖、そして、神がともにいてくださる事を忘れた。 そんな過去を振り返れば辛いことだけが思い出されるのです。しかし、モーセは言いました。良く見て御覧なさい「あなたのまとう着物は古びず、足がはれるこ ともなかった」4 こんな不信仰な者をも神は養ってくださった。それは思いもかけない恵でした。モーセはその恵への感謝を思い出させようとしたのです。私 たちの持っているものは、全て与えられたものである。使徒パウロがコリントの教会に対して、「いったい、あなたの持っているもので、頂かなかったものがあ るでしょうか。もしいただいたのなら、なぜいただかなかったような顔をして高ぶるのですか」Tコリ4:7と戒めているが、神様からの恵みたくさん頂いてい るのに、なぜ、何ももらっていないような顔をして誇るのですか、そことが傲慢であるというのです。「主を忘れる事がないように」

3、    神は愛する子を鍛えるため。
「あなたは、人が自分の子を訓練するように、あなたの神、主があなたを訓練されることを心に留めておきなさい」5 そして、その目的は、人はパンだけで生 きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることを知らせるため」3 神様は、私たちに訓練を与えられます。それは、私たちが主を畏れ 敬い、主の御言葉に聞き従って生きる者となるための訓練です。しかも、この訓練は、私たちが望むと望まざるとにかかわらず必ずやってきます。「わが子よ、 主の鍛錬を軽んじてはいけない。主から懲らしめられても、力を落としてはいけない。なぜなら、主は愛する者を鍛え、子として受け入れる者を皆、鞭打たれる からである。あなたがたはこれを忍耐しなさい。神はあなたがたを子として取り扱っておられます。」ヘブライ12:5−7 私たちの人生、マイナスと思われ る中にも恵みがあるのです。

 


 

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