【主日礼拝・要旨】                                        2009年2月22日 

 『一粒の 信仰』  

 ルカによる福音書 17:1−68

 

山岸 明牧師



 ユダヤでは、最も小さな物の代表として「からし種」が用いられました。それはどんな種よりも小さく数ミリの小さな種です。しかし、この小さな「からし 種」の実が偉大な成長を遂げるのです。「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも 大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる」マタイ13:32と仰せられているとおりです。                                      

 さて、私たちは普段の生活の中で物事が順調に行っている時は信仰をあまり意識しません。しかし何か試練にあったり、大きな壁にぶつかった時に自分の信仰 を知らされます。例えば、自分で良く分かっていながら間違いを起こす。これではいけないと悔い改めて信仰の決意をするが、その決意もたちまち崩れてしま う。そんな時に自分は何と信仰が弱いのだろう、自分は信仰に対して何か欠けているのではないかと思ってしまいます。そんな時にもっと信仰が増せば強い自分 になれる、そうすれば艱難や苦難が来てもびくともしない信仰者になれると思うからです。故に、もっと信仰を増してくださいと祈るのです。しかし、イエス様 は「からし種一粒」の信仰があれば良いと言われました。それは小さいけれど確実に存在する信仰です。   

 この一粒の信仰さえあれば「この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言う事を聞くだろう。」6 また「だれでもこの山に向かい、立ち上 がって、海に飛び込めと言い、少しも疑わず、自分の言うとおりになると信じるならば、そのとおりになる』マルコ11:22と仰せられました。この小さな信 仰が私たちの心の中に立ちはだかっている障害物、桑の木のように、また大きな山のように抜く事も、動かすことも出来ない問題を解決へと導き、この一粒の信 仰が不可能から可能へと変へてくださるのです。それは信仰を増して自分で何とかするのではなく、主イエスを信じて委ねる一粒の信仰の恵みなのです。大きい 小さいではなく一粒の信仰を与えられた事に感謝しましょう。



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