【主日礼拝・要 旨】                                        2009年6月14日 

 『無から有を生み出す力』 

使徒言行録3 章1‐10 節 

山岸 明牧師



 ペトロとヨハネが午後三時の祈りの時に神殿に上って行った。すると、生まれながら足の不自由な男がペトロとヨハネに施しをこうた。
すると二人は「彼をじっと見て」言いました「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名
によって立ち上がり、歩きなさい。」すると、たちまち、その男は立ち上がり、歩き出した。」(6‐8)


 私たちは自分に「ない、ない」と言って嘆く事があります。才能がない、力がない、時間がない、お金がない、あれがない、これがない。
しかし、神は、その「無い」という状態の中で豊かに働いてくださるのです。ペトロとヨハネには金や銀はありませんでした。しかし、あ
るものを持っていました。それはイエス・キリストの名です。私たちも祈りの最後に「イエス・キリストの名によって」と言います。では、
この名にどんな力があるのでしょうか。聖書の世界では「名」はその実体、本体を意味します。つまり「イエスの名」と言った時、それは
生きて働かれるイエス様ご自身なのです。


 ペトロが「ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。すると男が立ち上がり、歩き回ったり躍ったりして神を
賛美しペトロたちと一緒に境内に入って行った。」(8) 金や銀がないといった「無」の状況の中で、主が生きて働いてくださったのです。ペ
トロは「この人が良くなって、立っているのは、イエス・キリストの名によるものです。」(4:10)と言われました。


 私たちは依然として「無い」という状況の中にあるかも知れません。しかし、私たちも「イエス・キリストの名」をもっています。故に「無
い」事を恐れるのではなく、主は必ず「無い」ところから「有」を存在させてくださるお方。全てを恵みに変えて下さるお方である事を信
じましょう。また、私たちの小さな「からし種」のような信仰でも、それを与える時、神はその信仰を通して幾倍にも豊かに溢れさせて下
さるのです。


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