【主日礼拝 】                                  2012年10月14日 

『あなたの信仰は』 

マルコによる福音書5章21−34節

山岸 明牧師

           
 12年間病に苦しんでいた女性がいました。彼女は「多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。」(26)とあるように、全財産を失い、病気も治らず、深い絶望の中にいたとき、彼女はイエス様の噂を聞きました。そのお方は、ただ素晴らしい教えをするだけでなく、自分のような絶望の中に生きる者たちを顧み、肉体の苦しみを癒してくださる。そのお方が私の住む町にやって来られた。彼女は人目を恐れつつも、群衆の混雑の中にまぎれ込んで、イエス様の服に触れた。「この方の服にでも触れば癒していただける」(28)と思ったからである。すると彼女は「病気が癒されたことを体に感じた」(29)。
 
 イエス様は自分の内から力が出ていったことに気づいて、わたしの服に触れたのはだれかと言われました。彼女はためらいながら、自分を隠すように、そっとイエス様の服にさわった。しかし、一心にさわった。ためらいがちに、しかし、すべての願いを込めて主の服にさわった。イエス様はそれが「あなたの信仰です」と仰せられた。彼女にあったのは、ただイエス様を慕い求める思いだけでした。また、イエス様はご自分に触れられたのはだれか、本当は分っていました。でも、あえてだれかと尋ねた。彼女もイエス様の問いかけがなければきっとそのまま立ち去っていたでしょう。でも、それでは本当の救いにはならないのです。例え、病気が癒されても救いにはならないのです。彼女は恐ろしくなり「震えながら進み出てひれ伏してすべてをありのままに話した」(33)。自分がどうして主の服にさわらざるを得なかったのか、病気をしてからの12年間の苦しみの日々を思いつつ語った。自分のありのままをイエス様にお見せし、そのすべてを告白したのです。「実に人は心で信じて義とされ、口で公に表して救われるのです」(ローマ10:10)。
 
イエス様は仰せられた「あなたの信仰があなたを救った。」彼女にあった信仰とは、ただイエス様を慕い求めたこと。人の目から見たら、それが信仰なのかと思えるような小さな、薄い、あるかないか分らない信仰でも、からし種一粒の信仰があればそれで良いと仰せられた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい」(34)。私たちの人生にも辛いことがたくさんありますが「安心して行きなさい」。この大きな励ましと希望を抱いて歩みましょう。


 
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