【アドベント(待降節)第2週主日礼拝 】                            2012年12月9日 

 『あなたが必要です』 

使徒言行録15章36−41節

山岸 明牧師

 パウロが第2回伝道旅行に旅立つ際にバルナバとの間に激しい意見の衝突がありました。それはマルコを連れていくかどうか、バルナバはマルコを連れて行きたいと思った。しかし、パウロは、前にパンフィリア州で自分たちから離れ、宣教に行かなかったような者は、連れて行くべきではないと思った。こうして二人は衝突し別行動をとるようになった。第2回の伝道旅行はパウロとバルナバの決別から始まったのです。

 しかし、マルコのことで決別したかのように見えたこの伝道は思わぬ大きな展開を見せていくのです。この伝道旅行が初めてキリストの福音をギリシャに伝えることになり、さらにヨーロッパにまで広がっていくきっかけとなったのです。バルナバと共に伝道していったマルコは、やがてマルコ福音書を書きます。それぞれが大きな働きをするのです。その後マルコはパウロから信頼を受けて、パウロを助ける同労者としてさらに良い働きをしていきます。

 失敗からのスタートのように見えたこの伝道の働きが、実は神様の大きな計画の中にあったのです。神様が一人一人を必要とし、それぞれの働きに用いたのです。「わたしの道は、あなたたちの道を、わたしの思いは、あなたたちの思いを、高く超えている」(イザヤ55:9)。神様は今も私たち一人一人を必要とされ用いようとしています。それは、私の望んだ道と違うときでも、神様は私たちに一番ふさわしい道を用意してくださっているのです。「神を愛する者たち、つまりご計画に従って召された者たちには、万事が益となるように、共に働くとことを、わたしたちは知っています」(ローマ8:28)。人生の物事の移り変わりには大きな神様の意志が働いていることを信じる人は、物事の移り変わりが善いことも悪いことも失敗も、すべてを益としてくださるのです。


 
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