主日礼拝メッセージ                                                                                            2021年08月01日 

『本当の約束の地へ

山岸 明牧師

申命記34章1−12節 (旧約p338)
「モーセは死んだとき百二十歳であったが、
目はかすまず、活力もうせて はいなかった。」



 
 モーセの120年の人生を振り返るとき、大きく3つに分けられます。初めに40歳まではエジプトの地で将来を約束され、豊かな生活を送っていた。あると きモーセの人生を大きく変える出来事が起こった。モーセの同胞であるイスラエル人がエジプト人から暴行を受けているのを見て、正義感からエジプト人を殺し てしまった。そこからモーセの逃亡生活が始まった。第一のターニングポイントは失敗と挫折であった。このときモーセの年齢は40歳。

 モーセはミディアンに逃げ、身をひそめながら、羊飼いをして暮らしていた。その後、結婚をし、平凡ながら安心した生活を送っていた。ある日、いつものよ うに羊の群れを導きホレブ(神の山)に来た時、燃え尽きない火を見た。そこでモーセは神と出会い、大きな使命が与えられた。それはエジプトで奴隷となって いるイスラエルの民を導き出すこと。第二のターニングポイントは神との出会い。このときモーセの年齢は80歳。

 モーセはエジプトに戻り、イスラエルの民を導き出し、神が約束してくださったカナン地に向かった。本来なら一か月もあれば着くところを、何と40年間も 荒野を旅した。その旅は信仰的にも肉体的にも霊的にも苦しく、辛い旅路だった。カナンの地が近づき、その旅もまもなく終わろうとしたとき、モーセは神から 信じられない言葉を聞く、神はピスガという山にモーセを登らせ、「これがあなたの子孫に与えるとわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った土地である。 わたしはあなたがそれを自分の目で見るようにした。あなたはしかし、そこに渡っていくことはできない。」(4)カナンの地に入れない。今までの旅は何だっ たのか?納得できない。何故と文句を言いたい。

 この後、モーセは主の命令によってモアブの地で120年の生涯を閉じた。聖書には、そのとき「モーセの目はかすまず、活力も失せていなかった。」 (34:7)とある。これは、嘆きでも、恨みでも、失望ではなく、人生、これで良かったと納得と感謝の人生だった。神がモーセに約束された地は、カナンで はなく、天の御国だった。主に従う者の歩みは何と素晴らしいことか。私たちもモーセのそのような人生を歩みたい。