【主日礼拝】
福音メッセージ  
2004年9月26日
「暗闇の中で」
 マルコによる福音書14章1−11節
メッセージ:高橋淑郎牧師

 聖書は人の頭に香油を注ぎかけることに二つの意味があると教えています。一つは王として即位するときです。イスラエルの王をヘブル語でメシアと言いますが、「油注がれた者」と言う意味です。イスラエルの王は即位式で、預言者の手によって、その頭に油を注がれます。またメシアは、ギリシャ語でキリスト、救い主という意味でもあります。彼女の霊の目には、この方こそまことに世を救うキリスト、諸々の王の王であるという確信がありました。彼女のしたことが全世界に語り伝えられると主は言われました。彼女こそ無言のうちに、「イエスをまことの王である」と証した預言者だと主イエスご自身がお認めになったのです。

 香油を注ぐことにはもう一つ、死人を葬る意味がありました。人が死ぬと、死臭を押さえるために、香油を塗る習慣がありました。かつて使徒ペトロはイエスに向って、「あなたは、メシアです」(マルコ8:29)と告白したことがあります。しかし、その直後イエスから、「引き下がれ、わたしの邪魔をする者」(マタイ16:23)とお叱りを受けました。イエスが十字架に死ぬことを信じられずに否定したからです。しかし、この女性はイエスの行く手を邪魔することなく、背後からその頭に香油を注ぎました。彼女の霊の目には、このお方はわたしたちの罪のために、わたしたちが罰せられるべき十字架を担い、そこに死んでくださる唯一の救い主であると信じていたのです。彼女は香油にまさる高価な神の愛と、み子イエスの豊かな救いの恵みを思い、感謝の涙のうちに注ぎ出したのではないでしょうか。

 罪の闇路に射し込んだ神の赦しの光を受け、赦された罪の大きさに気づいた者だけが、その応答として最善、最高、最良のものを神に献げることができるのです。

本文は長いのでパソコンでお読み下さい

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