【主日礼拝・福音メッセージ】
2004年4月4日                   
「イエスのみ
マルコによる福音書9章1-13節
メッセージ 高橋淑郎牧師

 教会カレンダーによると、今日から「キリスト受難週」に入ります。聖書によると主イエス・キリストは、金曜日の朝9時に十字架に付けられて午後3時に息を引き取りました。幾人かの弟子たちが涙流しつつイエスの遺体を墓に葬り、家路に着きました。しかし不信仰なユダヤ人たちはイエスを裁いたローマの総督ピラトに頼んでその墓を封印し、しかも番兵までつけました。イエスが生前、「自分は死んで葬られるが、三日目に甦る」と言われたことを信じてはいませんでしたが、覚えていたからです。それで、弟子たちが死後三日の間に遺体を盗み出してイエスは復活したと嘘の宣伝をしないように番兵をつけました。これが金曜日に起こった出来事の全てです。わたしたちの教会ではこのことを記念して9日の金曜日、午後7時30分から約1時間、十字架のイエスを心に思い起こして、「グッド フライデー特別礼拝」をささげる予定をしています。とても大切なひと時ですから、皆さんぜひ出席してください。

 さて、9:1をご覧下さい。主イエスは、「はっきり言っておく。ここに一緒にいる人々の中には、神の国が力にあふれて現れるのを見るまでは、決して死なない者がいる。」と言われました。「決して死なない者」などこの世にいるのでしょうか。一人だけいます。「イエス・キリスト」です。イエスは神のお子だからです。2節以下の出来事がそれを証明しています。「六日の後」とは、8:27から数えてのことでしょう。ペトロの信仰告白を受けて、イエスが確かにメシア、キリストであるということ、また「決して死なない者」であることを裏付ける出来事が、この日起こりました。イエスは3人の弟子を伴って、賑わう里から離れて高い山に登りました。エズレル平原にある標高562mのタボル山であろうという説もあり、山頂には紀元6世紀ごろにキリストの変貌を記念して建てられた3つの礼拝堂があります。しかし、ほかの人々は8章の流れからヘルモン山ではないかと言う説もあります。この山は標高2,850mもあり、山頂は万年雪をいただく確かに高い山です。アラビヤの人々はこの山をジェベル・エ・テルジ、「雪の山」と呼んでいるそうです。タボル山かヘルモン山か、という議論は別として、ともかく高い山でイエスの姿が変わり、マタイによる福音書17:2によると、顔は太陽のように輝き、今日のみ言葉の通り、その服の白さはこの世のどんな布晒しの職人も及ばぬほど、目映(まばゆ)く輝いていました。何という神秘的な光景でしょうか。更に驚いたことに、はるか昔この世を去ったはずのモーセとエリヤという偉大な二人の預言者が現れて、イエスと何か語り合っています。 数ある預言者の中で、特にこの二人が選ばれ、イエスの前に呼び出されたのには理由があります。モーセと言えば、イスラエルの民を奴隷の地、エジプトから解放しただけでなく、この世に神の律法をもたらした偉大な預言者です。エリヤと言えば、「真の神は聖書の神、主と呼ばれているヤハウェのみである」と命を懸けて説き聞かせ、信仰の戦いを戦い抜いた偉大な預言者です。またモーセは旧約聖書最初の5つの書物を代表する預言者、エリヤは残り34の旧約聖書を代表する預言者です。つまりはこの二人によって旧約聖書は生まれたといっても言い過ぎではないのです。

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